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原発事故20年 チェルノブイリに暮らす > 連載 > 石棺の街
石棺の街
「悲劇」と「喜劇」が交錯 ('06/4/23)

 史上最悪の事故を起こしたチェルノブイリ原発4号機(ウクライナ)。大爆発した原発を覆うコンクリート製の「石棺」は、老朽化が進み、崩壊の危機に直面していた。「死の灰」を閉じこめるために設けられたはずだったが、ひび割れた無数のすき間から、放射性物質が漏れ出している。

 その対策として、石棺の外側をすっぽり覆う囲いの建設が計画されている。だが、安全面で疑問符が付くなど前途は多難だ。不気味な姿をさらす原発が、将来を暗示しているかのようだ。

 二十年の節目を迎えるチェルノブイリ原発の「いま」を伝えるため、ホームステイ先のベラルーシから夜汽車に乗って、隣国ウクライナに入った。首都キエフでは、原発周辺を巡る観光ツアーが人気を集め、原発そばの無人の街には、観光客の仕業と思われる落書きが躍っていた。

 一方、原発から半径三十キロの立ち入り禁止ゾーンでは、現在もなお放射線測定器が測定不能な数値を示すほど強烈な放射能に汚染されている。広大なゾーンを舞台に、「悲劇」と「喜劇」が奇妙に交錯していた。(滝川裕樹、写真も)

【写真説明】原発に近いプリピャチ市の幼稚園に残っていた園児の写真。元気に育っていれば、もう20歳代半ばになる


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