特 集
2000/4/22
 

芸北町(広島)定点調査
半年間で300回以上

  有名無実の終末規制

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 要綱を定め、低空飛行の定点調査を昨年十月、スタートした広島県山県郡芸北町。全国交流会では、増田邦夫町長が今年三月までの半年間の記録を報告した。日米で合意された土・日・祝日の訓練制限が実行されていないことをデータで示した。

 町は米軍の訓練空域「エリア567」の下にある。九四年ごろから米軍機が姿を見せ始め、低空飛行のほか「ドッグ・ファイト」と呼ばれる危険な空対空訓練などを繰り返してきた。二百五十三平方キロの広大な町で本格的に米軍機をチェックするため、四カ所に監視ポイントを置いた。

 半年間のまとめでは、調査を続けていた役場周辺で米軍機を目撃したのが百七日・延べ三百二十一回。九九年度上半期に比べ回数で百回近く増え、年度合計で五百四十九回に達した。記録の取り方が異なるため、単純な比較はできないが、前年度の八倍近い。

 また、スキー場が集中する八幡地区は六十八日・延べ二百四十三回。町人口(約三千二百人)を大きく上回るスキーヤーが訪れる一、二月が四割を占めた。

 土・日・祝日の訓練は、役場周辺で二十二日・延べ四十七回も目撃され、この三月以降、急増している。増田町長は「二月に米国のフォーリー大使に県知事が日米合意の順守を直接、求めたが、その後も週末訓練は絶えず、合意は空文化していると言わざるを得ない。だが、監視活動は訓練の抑止になる。続けていきたい」と話していた。

芸北町(広島)定点調査  模擬攻撃訓練  藤原・君田村長(広島)に聞く



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