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みんなの平和教室

 瀬谷ルミ子(日本紛争予防センター事務局長)
 

紛争や暴力絶えぬ紛争地 個人での安全確保には限界

しばらくお休みがありましたね。この間、北京五輪など華やかなイベントがあった一方で、紛争と平和の問題についても、記憶に残る出来事がいくつかありました。

 
瀬谷ルミ子 せや・るみこ

1977年、群馬県生まれ。中央大卒、英ブラッドフォード大学院修了(紛争解決学)。紛争後に兵士から武器を回収し社会復帰させることや平和構築が専門。NGO職員(ルワンダ)、国連ボランティア(シエラレオネ)、日本大使館書記官(アフガニスタン)、国連職員(コートジボワール)などとして紛争地での支援活動に携わってきた。2007年4月から日本紛争予防センター事務局長。

日本紛争予防センター http://www.jccp.gr.jp/
瀬谷さんのブログ「紛争地のアンテナ」
   http://ameblo.jp/seyarumi


8月には、ロシアとグルジアが戦闘状態になりました。また、アフガニスタンでは、復興のために活動していた日本人の非政府組織(NGO)職員が現地で誘拐され、命を落とすという事件も起きました。

今回は、このように紛争や暴力が絶えない現状の中、人々が安全に生活できる状態に近づけるため、具体的にどのようにすればよいのかを考えていきましょう。


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国同士や国の中が戦闘状態にある場合には、安全確保のためにまずその戦闘を止める必要があります。話し合いで解決する場合もあれば、国連や国際社会が軍隊を派遣する場合もあります(「軍隊が平和をつくることは可能か」という問題については、このシリーズの最後に触れたいと思います)。

戦闘が終わっても、それだけで治安が回復して人々が安全に暮らせるわけではありません。戦争で弱った国を狙って、今度は他の国が攻めてくることもあるかもしれません。また、紛争のすぐ後は、家や工場、道路などが破壊されたり、人々が仕事がなかったりする状態が多く、家族を養うことができずに毎日の生活や将来に不安を抱える人たちがたくさんいます。

争いが終わって人々が復興に向かい始めた直後は、多くの場合、政府や役所の仕組みもきちんと機能していません。戦いに加わった兵士や加害者を処罰することができなかったり、戦いに使われた武器もそのままの状態だったりします。

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アフガニスタン西部の民兵グループと治安をよくするために話し合う国連関係者=中央(2004年11月、筆者撮影)

例えば、アフガニスタンの南西部には、昔ながらの部族集団やタリバンなどの民兵組織がそれぞれ武器を持って存在しています。国際社会の軍隊も、山奥や地方の奥深くまでは危なくて行けません。村人や住民たちは、事件や争いから自分の村や家族を守るために武器を持って備えるしかないともいえます。被害を受けても誰にも頼ることができない人もたくさんいるのです。


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そんな紛争地の様子を私たちの住む日本と比べてみましょう。最近の日本では凶悪犯罪が目立つとはいえ、紛争地や多くの国々と比べると治安が保たれています。なぜでしょうか。

日本でアフガニスタンと同じようなことが起きないのはなぜでしょうか。もし自分が同じような事件や攻撃にあったら、あなたはどうやって自分の安全を確保しますか。

 

英語で、治安のことを「Security(セキュリティー)」と言います。これには、私たちひとりひとりの個人が生活するうえで気をつける安全という意味だけでなく、国民や住民の安全のために国がどのような仕組みを作っているかという意味もあります。アフガニスタンや紛争地と日本を比べたとき、人々の安全を守るために日本にあって紛争地にも役立つ仕組み、新しく紛争地にあると良いと思う仕組みについて考えてみてください。

 


今回の課題

 治安を守るため、日本にはどんな仕組みがありますか。紛争地にはどんなものがあるといいと思いますか。

※締め切りは10月4日(必着)です。
 
 
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