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8・6 平和公園にて
   想像してみて 核兵器のない世界を


核兵器のない世界を広島・長崎は求め続けています。しかし、現実には核軍縮はなかなか進んでいません。

「地球上から核兵器がなくなった時、あなたはどんな顔をしますか」。人類史上初めて原子爆弾が広島に落とされてから63年目のその日、ジュニアライターは平和記念公園でそう尋ね、写真を撮りました。国内外の約200人に応じてもらいました。

「何年後に実現すると思いますか」と聞くアンケートもしました。こちらは149人に答えてもらいました。中には「なくならない」という声もありました。でも、核兵器廃絶が実現すると、こんな笑顔が世界中にあふれるのです。そう思うと、何か頑張ってみようという気になりませんか。

 






 何年後に核兵器廃絶が実現すると思いますか
 
 
「何年後に核兵器廃絶実現」

私たちは8月6日、平和記念式典が開かれた広島市中区の平和記念公園で「何年後に核兵器廃絶が実現すると思いますか」と聞くアンケートをしました。日本を含む17カ国計149人に自由に書いてもらいました。「やる気になれば、すぐにでもできる」と答えた人。「できない」とした人と、さまざまでした。50年を区切りにし、それ以下を「短期」、51年以上を「長期」と整理してみました。

短期(50年以内) 世論の高まりに期待

50年以内とした人が58人で最も多く、38・9%でした。その中でも、20年以内が37人と目立ちました。理由は「核兵器をなくそうと努力している人や国があるから」「世論が高まっているから」などです。

また具体的に「2010年」(3人)や「2020年」(4人)と答えた人もいました。その背景には、10年に核拡散防止条約(NPT)再検討会議が開かれること、20年は平和市長会議が「2020ビジョン」を掲げ、廃絶の期限目標にしていることなどが挙げられていました。

小学生も真剣に考え、しっかりと答えてくれました。自分たちにできることとして例えば、核兵器を「ダメ。ゼッタイと言う」と、周囲に呼び掛けるという人。「けんかを減らす」など、身近なことから努力するという人もいました。

一方で、短期と回答しながらも「行動を起こす人が少ない」といった厳しい指摘もありました。それぞれがもっと平和に興味を持つと同時に、自分にできることを見つけ一歩を踏み出すことが大切だと感じました。(高2・土江綾、中2・高木萌子)

長期(51年以上) 見えぬ「最初の一歩」

19・5%にあたる29人が51年以上かかると答えました。そのうち一番多かったのは100年以上かかるという意見で13人、「長い時間」と抽象的な答えも11人いました。

理由は「核兵器廃絶のための最初の一歩を踏み出す国がいない」「核抑止論を支持する人が多く、意識改革にかなりの時間と反省を要する」などがありました。核兵器廃絶に取り組む具体的な動きが見られないという指摘が多くありました。

一方で「100年後かもしれないが、今の若い人たちが核兵器廃絶を訴え続けて世界に広がった時に実現するはず」と期待の声もありました。

自分たちにできることとして、10代からは「『平和』であることの大切さを考え、国際交流を呼びかける」「核兵器の恐ろしさを学ぶイベントに参加する」という意見がありました。(高3・岡田莉佳子、小6・坂本真子)

不可能・分からない 4人に1人は悲観的

「できない」と答えたのは41人で全体の27・5%、4人に1人ほどでした。

理由としては「平和を訴える国々も核兵器を保有している」など国が自分の利益を優先させることや、「人間は強い力を持とうとするから」などの意見がありました。

「この問題は権力を持っている人が決めることだから私たちにできることはない」という人もいました。

一方、「分からない」とした人は21人で、14・1%でした。

主な理由は「人々が過去から学んでいない」「原爆や戦争に興味のない人がたくさんいるから」など、関心を持っている人が少なく、廃絶に向けた動きが大きくならないため予測できないというものです。

また「米国を中心とする大国が、自国の利益を減らしてでも核廃絶に取り組むとは思えない」「国際上、優勢に立つために核戦争の脅迫に頼り続けるのではないか」という意見もありました。

しかし、「できない」「分からない」と答えた人の多くはあきらめているわけではありません。核兵器廃絶のためにできることとして「善い政治家を選ぶ」「政治家に世論を伝える」など国を変えていこうという声や、「核兵器の恐ろしさを訴え続ける」など、継続的な努力の意思を表していました。

私たち自身も核兵器廃絶がいつ実現するか分かりません。けれど一人一人ができることを積み重ねれば、必ず実現すると思います。(高2・立川奈緒、中3・岩田皆子、中2・大友葵、中1・坂田弥優、中1・小坂しおり)

8・6平和公園にて
ジュニアライターのアンケートの様子です


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