「孫育てのとき」

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本紙「孫育て」アンケート

■息子・娘が「産まない選択」したら

「反対しない」女53% 男37%


社会支援遅れ 環境も悪化

 アンケートは二〇〇五年十二月、「団塊の世代」(一九四七―四九年生まれ)を挟む六十二―五十二歳の男女に実施。「中国新聞ちゅーピーくらぶ」会員や広島市の公民館講座の受講者、三次市の女性会など、中国地方の男性百人、女性八十九人からメールや用紙で回答をもらった。

事件多い/ストレス社会/干渉しない/面倒みられない

グラフ「アンケート孫は欲しいですか」

 「孫が欲しいですか」の質問には、男性の95・0%、女性の91・0%が「欲しい」と答えた。「孫がいる」と答えた男性(四十九人)では、「孫の数」は平均で二・〇八人。女性(五十七人)では平均二・三一人だった。

 「息子・娘が『子どもはつくらない』と言ったら、どうしますか」の問いには、男性の63・0%、女性の43・8%が「反対する」。「反対しない」は男性の37・0%に比べ、女性は53・9%と過半数を占めた。

 「反対しない」理由として、女性では、子育て世代への社会的支援の遅れや子どもが安全に育つ環境の悪化を理由に挙げる人が目立った。

 ◇子ども夫婦は共働きで、余裕を持った育児は無理。子どもが犠牲になる事件、事故も多い(三原市・57歳・孫なし)

 ◇現代はストレスの大きな社会。親子にとって大変生きにくい(広島県世羅町・58歳・孫2人)

 「子どもを産み育てるだけが幸せではない」(岩国市・57歳・孫1人)など、「子どもを持つべきだ」という社会通念に疑問を投げかける声もあった。

 これに対し、男性では息子・娘夫婦の自主性を尊重して「反対しない」とする意見が多かった。

 ◇子どもの人生に干渉したくない(呉市・58歳・孫なし)

 ◇子ども夫婦の先々まで、親が面倒をみられないから(広島市安佐南区・57歳・孫1人)

 また、「仕方がない」(福山市・58歳・孫なし)といった、あきらめムードの声も目立った。


 「孫は欲しいけれど、息子・娘の人生も尊重したい」「孫の面倒はみたいが、自分の趣味も大事にしたい」―。「団塊の世代」を中心とする中高年層に「孫育て」観などを聞いた本紙アンケートで、祖父母世代の揺れる胸の内が明らかになった。四回に分け、結果を紹介する。(西村文)

2006.1.4