「孫育てのとき」

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第1部 祖父母力

読者からの声

1日から5回連載した「孫育てのとき・第1部 祖父母力」について、祖父母世代、子育て世代の双方から、感想や体験をつづったメールや手紙が数多く寄せられた。記事中の孫育てに奮闘する祖父母への共感が多かった一方で、祖父母に依存した子育てに疑問を投げかける声も。世代別にさまざま意見を紹介する。(西村文)

尊敬されるジジに/感謝期待せず


●祖父母世代

  ◇私も孫育てのために仕事を辞めます。今春、孫が小学一年生になるからです。母親である娘は看護師。夜勤の日は、私が保育所へ迎えに行ってました。

 小学校になると、学童保育が午後五時ごろまでです。広島市で起きた小一女児殺害事件を知った孫が「パパもママも帰りが遅い。おばあちゃん、お仕事辞めて一緒におって」と泣いて訴えられました。

 三十五年間、小学校で保健の仕事に情熱を燃やしてきました。定年まであと三年、続けたかったです。乳幼児の子育て支援だけでなく、小学生を持つ親への支援にも力をいれていただきたいと切に願います=広島市安佐北区、公務員中矢玉江さん(57)。

 ◇私は「孫に尊敬されるジジ」になりたい。孫二人と同居しているが、腹の立つことも多い。しかっては嫌われているが、甘やかす気にはなれない。とはいっても「怖いジジ」に孫はついて来ない。

 悩んだあげくたどり着いた結論は「孫の視点に立つこと」。頭ごなしにしかり付けるのではなく、己の主張したいことは主張し、孫の言い分も聞いて言い合う。日々実践しているが、「尊敬される」どころか、「敬遠される」ジジの方に近づいているかも…=西区、会社役員男性(63)。

 ◇嫁や娘たちを見ていると、ゆったりと子どもに接しているように見えない。その点、私には時間がいっぱいある。わが家に遊びに来た時は、思いっきり遊んでやる。いっときでも、嫁や娘を育児ストレスから解放してやりたい。その親心が若夫婦に伝わっているかどうかは、期待してはならないとも思う=佐伯区、主婦平林なおみさん(56)。

過度な依存 疑問/まずは親の愛情


●子育て世代

 ◇しゅうとは「母子のスキンシップが大事」と母乳育児に賛成してくれたのですが、しゅうとめは自分に孫を懐かせたかったらしく「粉ミルクの方がいい」。しゅうとめに隠れて母乳をやっていると、「おっぱいが足りてないから泣くんじゃないか」と私の乳を手で出そうとしたり、乳首に鼻を付けてにおいをかいできたり。それ以来、しゅうとめを敬遠してしまいます=東広島市、パート女性(33)。

 ◇祖父母の力に依存して、子どもが健全にはぐくまれるのでしょうか。共働きが多い世の中ですが、生みの親の愛情が一番大切ではないでしょうか。子育ては簡単、適当にはいきません。私もそろそろ社会に戻って働きたいと思いますが、「三つ子の魂百まで」という言葉を胸に、今は子育てを最優先しています=広島市安佐南区、主婦桐原麻紀さん(33)。

 ◇妻の実家が子育てに協力している記事を読んで、「夫や、夫の実家はどう感じているのだろう」と疑問を抱きました。私の弟は共働きで、奥さんの実家の近くに済んでいます。毎晩、奥さんと子どもは実家で夕食を食べ、そのまま寝てしまうこともあるとか。弟は実家で食事を詰めてもらい、一人自宅に戻って食べることも多いようです。

 母と私はそれを聞いて憤慨しています。実家の協力が行き過ぎると、夫婦関係に悪影響を与えるのでは―と心配です。夫の家事や育児参加も大きな問題かもしれません。家庭だけでなく、企業のあり方も含めて考えるべきでは=広島市中区、女性会社員(32)。

 ◇私は小学生の子どもが二人います。連載で料理教室主宰の山本京子さんが「自分の仕事も大事。(娘の子育ての)手助けはできる範囲で」と語られているのを読み、私も将来そうありたいと思いました。五十、六十歳になった時、自分が孫育て以外にも打ち込める仕事や趣味を持っていることが目標です=安佐北区、パート押川富士子さん(42)。

2006.1.31