中国新聞


14歳未満も少年院
送致可能など改正案 法務省提出へ


 法相の諮問機関・法制審議会の少年法部会(部会長・芝原邦爾学習院大教授)は二十一日、十四歳未満についても少年院送致を可能にし、警察官による事件の調査権を明記した上で、家宅捜索などもできるようにすることを柱とする少年法などの改正案要綱を決定した。(35面に関連記事)

 重大事件で家裁送致され、少年鑑別所に収容された少年に国費で弁護士を付ける「公的付添人制度」の導入も付帯決議として盛り込んだ。法務省は二月の法制審総会で正式答申を受け今国会に関連法改正案を提出する。

 凶悪犯罪の低年齢化に対する対応強化が狙い。実現すれば刑罰対象年齢の下限を十六歳から十四歳に引き下げた二〇〇〇年の少年法改正以来となるが、事実上の”厳罰化”と異論も強く、国会審議では曲折も予想される。

 改正案要綱は、ほぼ法相の諮問通りの内容。現行では十四歳としている少年院収容年齢の下限を撤廃し、十四歳未満で刑罰法令に触れる行為をした「触法少年」については、家裁が特に必要と判断した場合に少年院に送致できるようにする。

 触法少年や、将来罪を犯す恐れがある「虞犯(ぐはん)少年」について、警察官らに調査権を付与する明文規定を設け、特に触法少年の事件では、警察官による家宅捜索など強制捜査に準じた調査を可能にする。


触法少年と虞犯少年 刑罰法令に触れる行為をした14歳に満たない少年が「触法少年」、保護者の監督に従わないなど将来罪を犯す恐れがある少年が「虞犯少年」。刑法は「14歳に満たない者の行為は罰しない」と規定し、触法少年を処罰対象から除外している。触法少年に対する保護処分について家裁は現行法上、保護観察や児童自立支援施設送致などしか選択できず、少年院への送致はできない。

(2005.1.22 共同)


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