中国新聞


誘拐装う電話5件
福山の中学生宅、実名挙げ殺害脅迫も


 福山市の市立中学校の生徒宅に八日から九日にかけて、生徒の誘拐を装った不審電話が五件相次いでいたことが十五日、分かった。保護者に対し、生徒の実名を挙げて殺害をほのめかしたり、金を要求したりする例もあり、福山東署などは恐喝などの疑いで捜査している。市教委も市立小中高校と幼稚園に危機管理の徹底を指導した。

 東署や市教委などによると、電話はすべて男の声。八日は午後一時半と同四十分ごろ、いずれも市中心部の三年女子と一年男子宅に入った。女子宅への電話では名前を挙げ「子どもを誘拐した。殺す」と脅した。男子宅への電話は「子どもを外国に売り渡す。千五百万円を用意しろ」と要求したという。

 九日は午後一時半〜二時にかけて三件あった。八日と同じ女子と市北部の三年女子、西部の二年男子宅で、西部と北部の生徒宅への電話は名前を告げる手口。西部の男子宅では電話口で男の声で「助けて」と叫ぶなど、生徒の声を装っていたという。

 いずれも生徒の下校前で、保護者が学校に電話するなどして無事を確認した。一部の中学校はクラブ活動を中止したり、注意を呼び掛ける文書を配布したりした。

 市教委は八、九の両日、市立幼稚園、小中高校の計百三十校に対し、電子メールで生徒児童らの安全確保の徹底を求めた。指導課は「実名を出した不審電話はこれまで例がなく、個人情報が漏れた疑いもある。警察と連携し、学校の安全確保に努める」としている。

(2005.2.16)


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