中国新聞


マニュアル作成や教職員訓練
公立校防犯 ソフト面進む


 広島県内 ハード面は全国平均以下

グラフ「公立学校の防犯に関する取り組みの実施割合」

 大阪府寝屋川市の小学校で教職員三人が殺傷された事件を受け、あらためて学校の危機管理が問われる中、広島県内の公立学校では防犯マニュアルなどソフト面の対策は進んでいることが十六日、文部科学省の調べで分かった。一方、校内の通報システムの整備は全国平均を大きく下回り、ハード面の課題も浮かび上がった。

 調査は昨年六月、全国一斉で行い、県内では公立の幼稚園、小、中、高校、盲・ろう・養護学校計千七十三校を対象に実施。二〇〇三年度の実績と、本年度の取り組みを比較した。緊急連絡先などを盛り込んだ学校独自の防犯マニュアルは97・6%が作成し、〇三年度に比べ6ポイント増えた。

 教職員の防犯訓練の実施は94・1%(9ポイント増)▽児童生徒の防犯教室の開催は96・2%(5・9ポイント増)▽学校内外の見回りなど不審者の侵入防止策は99・3%(4・3ポイント増)―といずれも伸び、全国平均も上回った。

 広島市佐伯区の五日市観音西小は地域ボランティアによる校内外の見回りや、不審者侵入に備えた児童の避難訓練を実施。竹川智子教頭は「来訪者全員を疑うわけにはいかず、声かけや身元チェックなどを徹底したい」と話す。

 一方、〇三年度末時点で、校内緊急電話や警察との連絡システムなどを整備している学校は44・9%で、全国平均を25・1ポイントも下回る。防犯カメラやセンサーなど監視システムの整備率も38・1%(全国平均40・6%)にとどまる。

 県教委指導第三課は「ハード面の整備は市町教委の判断による。当面、ソフト面は100%実施を目標に指導する」と説明している。

(2005.2.17)


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