中国新聞


高校生の性初体験 1割が後悔
PTAが初調査


 高校三年生の性経験率は男子が30%、女子が39%で、女子では初めての体験について「後悔した」「どちらとも言えない」と肯定的ではない生徒が過半数を占めた―。全国高等学校PTA連合会が、性感染症の予防対策のため高校生約一万人に実施した全国調査の結果を、十九日までにまとめた。

 「寝た子を起こすな」と反対しがちだった保護者側が実施した初の調査という。

 集計、分析をした木原雅子京都大助教授(社会疫学)は「はんらんする性情報にせかされるようにして経験したため、後悔や戸惑いにつながっているのでは。身近な性感染症の危険を伝え、家族の役割や人間関係、心のケアも含めた予防教育が必要」と指摘している。

 全国から四十五高校を選んで調査、九千五百八十七人が回答した。

 経験率は一年生男子が12%、女子が15%、二年生は20%と29%、三年生は30%と39%だった。

 初体験後の気持ちは「経験してよかった」は、学年により男子が55―58%、女子41―45%、「後悔した」は男子8―11%と女子9―13%、「どちらとも言えない」は男子31―34%と女子41―49%。女子は全学年で「後悔」「どちらとも」の合計が半数を超えた。

 小学生で性描写のある漫画や雑誌を見た生徒や、家族と会話がないと答えた女子は、性関係を持ってもよいと思う割合が高かった。また(1)エイズなど性感染症への危機意識がない(2)携帯電話を所持(3)出会い系サイトを利用(4)泣きたくなるほどつらい気持ちになることがよくある―とした生徒は、経験率が高かった。

 経験者の中で、性関係の相手の総数が二人以上の割合は、高一男子以外は半数を超え、高三女子は四人以上も24%いた。

 交際相手を社会人や大学生としたのは、三年で男子10%、女子では36%に及び、木原助教授は「性感染症が入りやすい危険な状況」と話す。

 いずれも地域差はほとんどなかったという。

(2005.2.20 共同通信)


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