中国新聞


全市立小に緊急通報網整備へ
2005年度から福山市


 大阪府寝屋川市の小学校内殺傷事件など全国の学校で不審者の侵入事件が相次ぐ中、福山市は二〇〇五年度から、七十二校すべての市立小に緊急通報システムを整備する。教職員に配備された小型無線機を使い、ボタン一つで校内や警察などに異常を知らせる仕組み。市は「全国でも先進的な取り組み」としている。

 市教委によると、無線機の親機を職員室に置き、子機をクラス担任を中心に教職員に配る。不審者の侵入や火災などに遭遇した場合に子機のボタンを押すと校内スピーカーにつながり、児童らに注意を呼びかけることができる。警察、消防への通報も可能になる。

 子機はトランシーバー機能を備え、教職員同士が情報をやりとりできる。遠足など校外行事でも使用できる。

 市教委などは今夏までに運用マニュアルを作成。十月ごろには全小にシステムを整備する考え。市立幼稚園と保育所の計九十三カ所には四月中をめどに、警報音が鳴る時計式の緊急通報機器を配備する。

 市は〇五年度の一般会計当初予算案に、システムのリース代として千四百四十万円、緊急通報機器の整備費三百六十万円を盛り込んだ。

 市教委によると、無線機を使った緊急通報システムは、熊本市教委が〇四年十月に導入しているが「ほかには聞いたことがない」という。岡崎サ助役は「今回の取り組みを子どもの安全、安心につなげたい」としている。

(2005.2.24)


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