中国新聞


小中一貫教育 福山大と研究
府中市 心理学教授ら参加


 学習意欲向上・心のケア支援

 小中一貫教育を進める府中市の府中四中と北小は新年度、児童・生徒の学習意欲向上や心のサポートを目指し、福山大人間文化学部心理学科と共同研究に取り組む。

 現場の教諭と心理学の専門家が子どもの成長をチェックし、九年間を通した一貫教育の意義、連携授業の効果、課題などを探る。大学からは八人の教授、講師と五十人の学生が研究に参加する予定。

 小四と中一が主な対象。具体的な目標を二つ設けた。一つは家庭学習の手引作成。これまで一貫性に欠けていた毎日の宿題や課題を見直し、家庭での学習意欲を高めるための総合的な手法を探る。

 もう一つは、子ども同士で問題を解決しようとするピア・サポート(仲間間の援助)態勢の確立。保育所から中学まで続く固定した人間関係を解きほぐし、自分の価値観や将来の夢、周囲の人たちの役割などを考えさせる。

 大学側は、授業にも積極的に参加。アンケートなどを通して子どもたちの変化を調べる。

 北小の田原和博校長は「一貫教育を進めるためには、全教諭が九年間の心の変化について学ぶ必要がある。専門的な視点からアドバイスをお願いしたい」。福山大の松田文子教授は「小四と中一は学力や生活面などに大きな変化の現れる時期。前向きに乗り切るための態勢づくりに協力したい」と話している。

(2005.3.5)


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