中国新聞


輝く小規模校 PR実った
東広島の志和堀小、転入希望相次ぐ


 4家族5人今春入学へ 移住打診も3件

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改修を終えた空き家をバックに今後の取り組みを話し合う右近校長(左)と有田会長

 「小規模校の良さを地域活性化の核に」。東広島市志和町志和堀の住民の取り組みが実を結びつつある。児童不足で複式学級化寸前だった志和堀小への転入希望が相次ぎ、危機は免れた。空き家バンクへの入居の引き合いも届いている。

 きっかけは一月二十九日付の中国新聞の記事だった。「算数は県下トップ、国語は東広島市一位で県下四位の成績。体験学習も豊富。英語活動も毎日ある」

 全児童六十二人の小規模校のこの教育力を活性化に生かそうとする住民の動きを紹介した。市内全域から通学できる小規模特認校制度を下支えする放課後の学童保育の場の確保や、都市から家族の移住を促す空き家バンクの試みである。

 これまで学校への問い合わせは九件。広島市や海田町などからもあった。うち四家族五人の今春の入学が決まった。新一年生二人、新二年生一人、新三年生二人で、いずれも特認校制度を利用した通学生である。

 「自然の中でのびのびと育てたかった」と西条町寺家の会社員岡峰博文さん(43)。三年生になる二男を入学させる。会社が志和堀にあり、送り迎えする。「公民館で学童保育をしてもらえるのが決め手でした」

 学校にとって新三年生の入学は悲願だった。現状のままでは新三、四年生は十六人。基準に一人足りず複式学級化は必至だった。「教職員が全力を尽くし、保護者の期待に応えたい」と右近信彦校長は張り切る。

 各種団体でつくる「志和堀里づくり推進協議会」が登録した空き家は十四軒。うち三軒は改修を終えた。これまで移住打診は三件。現在、一家族との間で話が進む。「地区を挙げぜひ、三軒とも入居させたい」と有田安徳会長(73)は意欲を燃やしている。

(2005.3.9)


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