中国新聞


親子連れで歩きました
広島駅 便利に安心に


 四月四日付「いっしょに! 子育て」で、「JR広島駅は階段だらけで利用しづらい」という母親たちの声を紹介したところ、JR西日本広島支社から電話があった。「今年三月に駅を改修したんですが…」。そこで、キャプママくらぶのメンバーが子連れで、駅構内を歩いてみた。(西村文)

JR広島駅の新幹線の有人改札。ベビーカーを押してゆうゆう通る鈴藤さん親子

■増えた案内板 ベビーカー向け改札も

 参加者は広島市内に住む三十代の母親三人。いたずら盛りの三歳児からベビーカーに乗った赤ちゃんまで、四人の子どもと連れ立った。記者も同行し、駅北側の新幹線口から出発した。

 「へーえ、こんな所に案内板が…」。改札の脇に「エレベーターは六十メートル先」の表示が張ってあった。驚いた森としえさんは生後十一カ月の長男を産むまで、駅の近くに勤めていた。「子どもを持って初めて、駅の設備の不便さが目につくようになった」と言う。

 「あの記事で皆さんの意見を読み、案内板を増やした」と総括助役の石原靖彦さん。構内を隅々まで再点検し、エレベーターの位置が分かりづらい三カ所に案内板を急きょ設置したという。

母親たちの意見で増設されたエレベーター案内板を見る森さん(右)と松浦さん親子

 案内板に沿って進み、エレベーターに乗って二階の新幹線改札口へ。改札は最近、自動化した。ベビーカー組はゆったり通れる有人改札に向かう。駅員が改札ゲートを操作すると、通り抜けスペースの幅が広がった。「これなら安心して通れる。『子連れ用窓口』だとか、表示があればもっといいのに」と鈴藤邦恵さん。

 新幹線ホームのエレベーターに乗ってみた後、「階段だらけ」のイメージが強い在来線ホームへ。四本のホームの中央付近にそれぞれエレベーターが設置されていた。今年三月一日に整備が完了したばかりという。

 「便利になりましたねえ」。ベビーカーで新幹線に乗り、動きにくさにへきえきし、兵庫県の実家にはマイカーで帰省するという松浦洋子さんも評価。「最寄りの五日市駅も、ぜひバリアフリー化して」と要望した。

▽階段あるトイレは課題

 全員が「ぜひとも改善を」と訴えたのが、トイレ。構内のトイレは入り口に階段があり、ベビーカーでは利用しづらい。「駅ができた三十年前は、排水の都合でどうしてもトイレの位置を上げざるを得なかった」と石原助役。今後の課題だ。

 駅をじっくり見て回り、「随分変わったなあ」と思った。だが実際、子連れではエレベーターや専用改札を探し回る余裕はない。初めて訪れた人でも分かりやすいよう、放送でもバリアフリー施設の案内をするなど、職員の応対も含め、きめ細かい気配りにもっと心を砕いてほしい。

(2005.5.2)


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