中国新聞


虐待通告 最多319件
福山児童相談所 2004年度


 担当課を増員

グラフ「福山児童相談所に寄せられた児童虐待の通告件数」

 広島県東部九市町を受け持つ県福山児童相談所に寄せられた二〇〇四年度の児童虐待の通告件数が、過去最多の三百十九件に上った。これまで最高だった〇二年度の二百四十五件より七十四件多い。同相談所は〇五年度、職員を増員するほか自治体との連携を強めて対応していく。

 同相談所が詳細をまとめた〇四年四月から〇五年二月までの三百四件をみると、虐待内容は殴るけるなどの「身体的虐待」が百三十九件と最も多い。食事を与えないなどの「ネグレクト(育児放棄)」は百二十件、「性的虐待」も五件に上った。実母による虐待が百九十四件と六割を超えた。

 通告は「近隣住民・知人」からが最多の六十一件で、全体の20・1%。〇三年度の12・6%から増加した。同相談所は「虐待に絡む悲惨な事件が報道され、市民の意識が高まった」とみている。次いで「学校」(五十一件)16・8%、「家族」(四十三件)14・1%の順。

 同相談所は〇五年度、虐待対応に当たる相談措置課の職員を十二人から十四人に増やし、子どもを緊急に保護する一時保護課の職員も三人から六人に倍増。一時保護課の職員は七月から、交代で土日を含めて午後九―十時ごろまで相談所に詰め緊急対応に備える。

 一方、福山市など管内の市町とも連携を強め、虐待の防止、早期発見に努める。

 同相談所の塚村英幸所長は「一度指導した家庭で、再度の通告を受けるケースが目立つ。自治体と連携し、虐待を再発防止できる継続的な指導・支援体制の構築に取り組む」と話している。

(2005.5.5)


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