中国新聞


「子どもを守ろう」
東広島、地域の活動拡大


 住民パトロール 校舎内も

そろいの帽子と腕章を着け、校舎内を巡回する寺西小のパトロール隊員

 東広島市で、地域ぐるみで子どもたちの安全を守る取り組みが広がっている。市内の半数近い十五の小学校区で、住民たちの大小の組織がパトロールや声掛けを実施。不審者侵入対策として、住民に校内を巡回してもらう一歩踏み込んだ試みも表れた。

 市中心部の寺西小(六百四十人)。十八日は児童のにぎやかな声が響く昼休み、「寺西防犯隊」と記した黄緑色の帽子と腕章を着けた防犯パトロールの四人が「こんにちは」「元気いいね」などと声を掛けながら、校舎内を巡回した。

 寺西小学校区では、二月に約三百五十人で防犯パトロール隊を結成。下校時間に合わせて散歩や買い物をするなどの校外活動に加え、帽子や腕章がそろった五月から校内の巡回も始めた。

 織田寿子校長は「顔なじみの方たちだけに心強い。校内も住民が目を光らせているとなれば大きな防犯になる」と感謝。寺西防犯パトロール実施委員会の梶井軍三会長(71)は「子どもを知るほど地域でも声が掛けやすい」と語る。

 市教委は二年前、市内で不審者が相次いで出没したのを受けて対策プラン「子ども安全ネット・東広島」をまとめ、地域の自主的な防犯活動を促した。今年二月に大阪府寝屋川市の小学校内で起きた教職員殺傷事件を機に、「学校安全ボランティア」として校内も巡回してもらう体制づくりを各校に呼び掛けていた。

 窪田恒治学校教育部長は「寺西小は市内の先駆的取り組み。全市に広げたい」と支援策を検討している。

(2005.5.19)


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