中国新聞


少子化対策 効果見えず
自然増10万人割れ


 ■04年人口統計 25道県で減少

 昨年一年間に生まれた赤ちゃんは約百十一万一千人で最も少なく、出生数から死亡数を引いた「自然増加数」は約八万二千人と初めて十万人を下回ったことが一日、厚生労働省の二○○四年人口動態統計(概数)で分かった。都道府県別の自然増加数では、マイナスが二十五道県となって半数を超え、「人口減少社会」の到来が”秒読み”段階に入った。(31面に関連記事)

 統計によると、一人の日本人女性が生涯に産む平均の子供数(合計特殊出生率)は○三年と同じ一・二九だが、小数点第四位までみると一・二九○五から一・二八八八に低下し、過去最低を更新した。女性の年代別にみると、二十代では引き続き低下したが、三十代前半は五年ぶりにわずかながら上昇した。

 ○四年の新生児は百十一万八百三十五人で前年より約一万三千人減った。死亡数は高齢化のため、終戦直後の一九四七年に次いで多い百二万八千七百八人を記録、二年連続で百万人を突破した。

 死因の上位は、がん(31・1%)心疾患(15・5%)脳血管疾患(12・5%)の順。自殺者は三万二百二十七人で最多だった前年より約二千人減ったものの、長引く不況の影響などで二年連続で三万人を超えた。

 結婚したカップルは約七十二万組で前年より約二万組減。平均初婚年齢は男性二九・六歳、女性二七・八歳でいずれも前年より上がり、晩婚化が進んだ。離婚数は約二十七万一千組で前年より約一万三千組減った。

 都道府県別の合計特殊出生率では、最も高かったのは沖縄県の一・七二。○三年に一・○を割り込んだ東京都は一・○一に回復した。

(2005.6.2 共同通信)


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