中国新聞


広島県に虐待対策拠点
医学的相談にも対応


 児童虐待や配偶者らからの暴力(DV)などに関する相談や被害者救済などを担う広島県広島こども家庭センターの開所式が八日、広島市南区宇品東の同センターであった。県立施設では中四国地方で初めて、精神科医が常駐。医学的な見地での相談にも対応する。

 式には藤田雄山知事ら約五十人が出席。センター長に就く岩田雅之・県中央児童相談所長は「チームワークを発揮し、充実したサービスを提供したい」とあいさつした。

 センターは、県中央児童相談所や県立婦人相談所、県立知的障害者更正相談所の機能を統合。鉄筋二階建て約三千平方メートルに十三の相談室や、虐待を受けた児童を一時保護する十二の居室、三つの療法室、家族が利用する宿泊室などを備える。約九億二千四百万円の総事業費をかけた。

 昨年度、県内の児童相談所には前年度比で約44%増の千三百五十件と、過去最多の児童虐待の相談があった。センターは三人編成の専任の虐待対応班を設け、通報などに迅速に対応する。市町の担当職員の育成、県民への啓発も行う。

 業務は十一日から。同日、福山市の福山児童相談所が福山こども家庭センターに、三次市の三次児童相談所が備北こども家庭センターにそれぞれ改称してスタートする。

(2005.7.9)


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