中国新聞


発達障害児 一緒に見守って
岩国の母親の会がボランティア募集


 催し参加や遊び相手に

 岩国市を中心に活動している発達障害児の母親の会「ふしぎなポケット」が、障害児への理解と家族の負担軽減のため、ボランティアを募っている。

8月の料理体験会に備え、手順や課題を確認した母親たち

 会員は、自閉症など発達に障害がある乳児から小学生の母親約三十人。昨年四月に発足し、月一回の例会で「ストレス解消法」や「就学先の選び方」などをテーマに、不安や悩みを分かち合う。病院には療育サービスの拡充も訴えてきた。

 最近は、子どもの自立につながる催しを企画。六月のハイキングに続き、八月は買い物と焼きそばづくりの体験会を開く予定である。

 悩みはボランティア不足だ。催しでは、親子一組に一人のボランティアが理想。二男が自閉症の松下由美子代表(41)=同市平田=は「障害の症状や程度はまるで違う。目を離せない子ばかりです」と説明する。

 例えば自閉症児。絶えず動き回る子がいれば、普段はおとなしくても感覚が過敏で、何かのはずみにパニックを起こす子もいる。「母親が付きっきりになると、きょうだいに目が届かない。母親べったりで、他人とかかわれなくなるのも困る」と心配する。

 「子どもと接し、障害について知ってほしい」との思いも強い。「子どもの行動を見つめられ、買い物や通院などが苦痛」「親のしつけがなっていないなどと、心ない言葉を投げられる」―。周囲の理解不足に苦しむ母親が多いだけに、協力者を増やしたい願いは切実だ。

 会員の片倉聡美さん(42)=同市南岩国町=は「障害児も個性や喜怒哀楽がある。接したら、いろいろな発見があるはず」と、ボランティアの意義を説く。催しへの参加のほか、放課後の遊び相手や託児ボランティアも募っている。松下さんTel090(7542)6687。

(2005.7.21)


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