中国新聞


石綿 公立校14%で使用
中国5県・広島市


 健康被害が社会問題化しているアスベスト(石綿)が、中国地方五県と広島市立の全学校・幼稚園の13・9%に当たる八十二校・園、五県・広島市営住宅は2・7%の千六百三十七戸で使用されていることが二十四日、中国新聞の調べで分かった。学校、住宅以外でも六十八施設での使用が判明。各県と広島市は全容把握のため、再調査や点検などに乗り出す方針でいる。(25面に関連記事)

 五県や広島市などによると、幼稚園を含む学校施設でアスベストの吹き付けが判明したのは、広島市立が四十七校で全体の19・7%、山口県立が十六校で18・6%、岡山県立が九校で11・0%、広島県立が十校で9・5%だった。島根、鳥取県立の学校ではなかった。

 学校では、階段の裏側への防音用吹き付け▽教室の梁(はり)や体育館の天井裏への耐火用吹き付け―が主な形態となっている。

 県・市営住宅で使用が確認されたのは、広島県と広島市。広島県営は広島市中区の三棟八百三十七戸で、県営全戸の4・9%、広島市営が中区の一棟八百戸で市営全戸の5・3%となった。

 学校、住宅以外では、山口県は県の出先機関など二十七施設▽島根県は県営住宅隣接の機械室など二十二施設▽鳥取県は県や県警などの十五施設▽広島県は県庁北館など四施設―でそれぞれ使用が判明した。

 一部では飛散防止策が講じられておらず、現段階での使用形態が資料の散逸などで不明なケースもある。そのため広島、山口、鳥取県と広島市は二十日以降、アスベスト問題の対策会議を開き、対応の検討に入った。岡山、島根県も二十五日、初の会議を開く。五県、広島市とも現時点では健康被害の報告はないが今後、飛散防止策や建物の解体などの対応に迫られる。

<アスベストの使用が確認された中国5県の県立と広島市立の施設数>
 学校・幼稚園住宅戸数その他施設
広島県10( 9.5%)837(4.9%)
山口県16(18.6%) 27
岡山県(11.0%) 不明
島根県  22
鳥取県  15
広島市47(19.7%)800(5.3%)未把握
82(13.9%)1637(2.7%)68
カッコ内は各施設全体の中の割合

(2005.7.25)


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