中国新聞


高齢者が子育て支援
庄原 広がる奉仕活動の輪


 子育てを地域のお年寄りがサポート―。庄原市内で、福祉施設内に託児所を設けたり、育児サークルにお年寄りがボランティア参加したりする活動が広がっている。触れ合いのなかで、高齢者の生きがいづくりなど相乗効果も期待されている。

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託児所の子どもたちと折り紙遊びなどを楽しむお年寄り(庄原市宮内町のユニバーサルケア美湯)

 同市宮内町の団地内に四月オープンした福祉拠点「ユニバーサルケア美湯」。二階建ての一角に託児所「ほほえみキッズ園」がある。デイサービスで訪れたお年寄りたちが、子どもとテーブルを囲んで折り紙で遊び、保育士の資格のある職員たちも加わって創作ダンスなどを楽しんでいる。

 「お年寄りは遊びの先生。好奇心の強い子どもと接することで生きがいにもつながる」と熊原保施設長。三世代家族が減少し、高齢化も進む地域にあって、人生経験の豊富なお年寄りの出番を願いたいという。

 同市東城町の育児サークル「ありんこクラブ」(四十七人)は、五月から月一回の定例会に、市社会福祉協議会のボランティアに登録するお年寄りを招いている。座談会などで若い母親の育児相談に乗るお年寄りたちは「元気をもらい、高齢者同士の集いとは違った喜びもある」と喜んでいる。

 運営委員長の藤井郁未さん(32)は「核家族が増え、お年寄りの知恵をいただく場も少ない。世代間のギャップを埋めるためにも交流を深めていきたい」と話している。

(2005.8.4)


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