中国新聞


社会の第一線に学ぶ
庄原で「高校生未来塾」


経済人や文化人を講師に招き、将来を担う高校生を対象にスタートした未来塾

 第一線で活躍中の経済人や文化人が講師を務める「次世代を担う高校生ための未来塾」が二十八日、庄原市西城町の道後山高原クロカンパークで始まった。楽天の三木谷浩史社長たちも「教壇」に立つ初の試みで、広島県内や近畿などの高校生九十四人が参加。三十一日まで合宿をしながら講義を受け意見交換する。

 初日は、庄原市出身で塾長の大竹美喜・アメリカンファミリー生命保険最高顧問(66)が、最初の講師を務めた。若くして渡米し保険事業を起こした半生を振り返り「挫折が多いほど人間力は増す。夢の実現のために何が必要なのかを考えてほしい」と呼び掛けた。

 国内最年少の公立学校長という横浜市立東山田中の本城愼之介校長(33)も登壇し「正解よりも自分なりの答えを出すことが大事」と説明。「思考より試行」「成功より成長」など未来を開くうえでの言葉を贈った。

 生徒たちは真剣な表情で聞き入り、広島県神石高原町の油木高一年前原敦史さん(16)は「自分の進路を見据えたい」。北広島町の新庄高二年森川愛美さん(17)は「将来像を考え、参加した仲間との出会いも大切にできれば」と声を弾ませた。

 未来塾は、大竹塾長や名誉塾長の山口信夫・日本商工会議所会頭たち広島ゆかりの経済人など二十人が企画。講師には、三木谷社長や府中市の松坂敬太郎・ヒロボー社長、浜田市出身のソプラノ歌手下垣真希さんなど九人が名を連ねている。

(2005.8.29)

 ■リーダーって必要?/正解より自分の回答 ―高校生が熱弁

輪になって意見交換する高校生たち

 庄原市西城町で二十八日から開かれている「次世代を担う高校生のための未来塾」。第一線の経済人たちの講義を受ける高校生が二十九日、講師から学んだ内容を基に意見交換した。「将来を語ろう」「リーダーって必要?」―。山あいの道後山高原クロカンパークを会場に議論は白熱した。

 県内や近畿から参加した九十四人が、八グループに分かれ、それぞれ輪になって討論した。「リーダーはなぜ生まれるの?」。ある生徒が、お題を出す。「まとめ役がいないと、互いにぶつかるだけ」「行動力のある人は必要」と考えはさまざま。「木も幹がないと生きられない」とユニークな意見も飛び出した。

 別のグループは、初日の講義で聞いた「正解よりも自分なりの回答が大切」という講師の言葉について議論した。「正解も大切だと思う」とある生徒。討論には、社会人や大学生サポーター二十人も加わり「何でも疑問を持つことが大事」などとアドバイスした。

 一時間の討論を終えた地元の西城紫水高二年田中宏隆さん(17)は「いろんな意見を聞いて新たな発見もあった。同年代の多くの仲間と知り合えるのは、貴重な体験」と笑顔を見せた。

(2005.8.30)


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