中国新聞


高校生求人 中国地方4県で上昇
広島は倍率1.5倍に迫る見込み


 来春卒業予定で就職を希望する中国五県の高校生を対象にした求人数は七月末現在、鳥取を除く四県で前年同月に比べ22―37%増えていることが各県労働局のまとめで分かった。求人倍率も同じく四県で上昇。中でも広島の求人倍率は一・五倍近くに達する見込みで、最近十年間で最も高かった一九九七年の一・六七倍に迫っている。

グラフ「中国5県の来春採用の高校生求人倍率」

 景気の回復や団塊の世代の大量退職を控えて企業の採用意欲が高まっており、採用活動が十六日に解禁になる高校生の就職環境も、昨年より明るさを増している。

 ただ、広島以外の四県の求人倍率は一・〇倍を下回り、求職一人に対して求人が一件に届いていない。特に山陰は〇・五倍に満たず、依然として厳しい状況にある。広島労働局は「好調な製造業を中心に求人が伸びている山陽と、公共工事への依存度が高い山陰との間で地域格差が開きつつある」とみている。

 求人倍率を近く発表予定の広島の求人数は、好調な自動車関連を中心に増え、前年同月に比べて約三割に当たる千人増の四千人台半ばに達する見込み。

 広島を除く四県は求人数、倍率とも確定した。山口は中国需要にも支えられた化学や鉄鋼がけん引し、求人数は二千五百七十七人と前年同月に比べ37・7%増えた。岡山は求人が35・2%増の三千四百五十一人で、自動車や鉄鋼が伸びた。

 島根はパソコン部品などの情報通信機器などが好調で、求人が22・9%上回り六百九十二人。鳥取は、昨年コールセンターの求人が相次いだ反動などで六百六人と10・4%減少した。

 広島以外の求人倍率は、山口〇・六八倍、岡山〇・八〇倍で、ともに前年同月から〇・二〇ポイント上がった。一方、島根は〇・三六倍で〇・〇六ポイント上がり、鳥取は〇・四一倍と〇・〇五ポイント下がった。

 調査は七月末時点で、例年は十二月まで求人数は増える傾向にある。今年は、優秀な人材を確保しようと企業が早めに求人票を提出する傾向があり、「今後の推移は慎重に見守る必要がある」(広島労働局)としている。

(2005.9.6)


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