中国新聞


非常通報システム 福山の保育園が導入
初の無線型、職員が携帯


 緊急時に、警察に通報できるワイヤレス型非常通報システムが、全国で初めて福山市青葉台の福山乳児保育園に導入され二十七日、実用訓練をした。職員が携帯するカード型子機のボタンを押すと一一〇番に直結し、警察官が現場に駆け付ける。万一の際、迅速な対応が期待できる。

図「ワイヤレス型非常通報システム」

 同システムは、発信元の住所、施設名などを広島県警の通信指令課に登録。場所や事件の概要を説明することができない場合でも、名刺大のカード型子機のボタンを押すだけで一一〇番に直結。通報場所が特定され、県警から指令を受けた最寄りのパトカーが現場に直行する。

 警察につながる非常通報装置は、都道府県警の承認が必要。今までは金融機関などに設置されている据置型が主流で、ワイヤレス型では全国初という。十月中旬、同保育園の希望で、システム販売元のNTTネオメイト中国(広島市中区)が県警に申請した。据置型のように非常ボタンの位置まで移動する必要がなく、非常事態の同時通報が可能になる。

 同保育園は二十七日、県警と合同で同システムを使った防犯訓練を実施。不審者が侵入したとの想定で職員が子機のボタンを押すと、最寄りのパトカーが四分で駆けつけた。今後は職員四人が携帯するという。

 岡田喜久子園長は「全国的に学校などで不審者の侵入が相次いでおり、確実な備えが必要だと判断した」と話している。

(2005.10.28)


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