中国新聞


IT防犯、保育所で始動 福山


出入りを多重点検

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カメラが設置された給食室で昼食を食べる園児たち

 全国の教育現場で子どもを狙った凶悪事件が相次ぐ中、福山市沼隈町の私立常石保育所「すくすくハウス」が、情報技術(IT)を活用した防犯システムの本格運用を始めた。インターネット回線を使ったカメラや専用カードで園内への人の出入りを徹底的にチェック。万一の事態に対応する体制を整えている。

 カメラは、保育室や廊下、グラウンドなど園内三十六カ所に設置。職員室などにあるモニターの画像で不審者の侵入や園児の事故を察知できる。

 園舎の出入り口五カ所には、専用カードの読み取り機を置いた。受け付けをせずに園内に入るには、カードでの照合が必要となる。カードは現在、職員だけが保有し、今後は保護者に配る。

 これから導入するインターネットを使った携帯電話(IP電話)は、専用の番号を発信すると同時に放送機器に接続。電話で話す内容が拡声器で、園内に流れる仕組み。異常を即座に園全体に伝えられ、警察や消防への通報と避難指示が迅速にできる。全保育士二十人に配り、年内をめどに運用を始める。

 七月の同保育所の移転に伴い、近くの常石造船を主体とする常石グループが、自社技術や設備を提供した。

 三須誠園長は「人の目だけでは、どうしても行き届かない面がある。安心できる保育環境の徹底につなげたい」としている。(川手寿志)

(2005.11.12)


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