中国新聞


広がる見回り・声掛け
指導員に県警OB


 広島市安芸区矢野西二丁目、市立矢野西小一年木下あいりちゃん(7)が下校途中に殺害されて二十九日で一週間。児童らは保護者らの付き添いで集団登下校を続ける。地域ぐるみで街頭での声掛けや見回りなど子どもの安全を守る取り組みが広がる。同小には、国事業で警察OBが学校の防犯対策に一役買うスクールガード・リーダー(地域学校安全指導員)も配置された。

 事業のモデル地区に選ばれた広島市で幟町中学校区(中区)の小中学校五校に十二月から配置される予定が、事件を受け矢野西、矢野、矢野南の三小学校に四人を前倒しで緊急配置。矢野西小学校区では二十四日から、広島県警OBの二人が児童の登下校に付き添ったりしながら、不審者に目を光らせている。

 今後の安全マップ作りのためにも空き家や死角場所などもチェック。指導員の竹本剛さん(59)は「とにかく再発を防ぐ。大人も子どもも危機感を持たないと」と強調する。

 同小PTAは児童の登下校の付き添いを継続。矢野町社会福祉協議会などは、保護者が付き添いできない児童を玄関先まで送り届け、矢野地区防犯組合は事件解決の協力を呼び掛けるビラを事件現場周辺に張るなどしてきた。さらに、同小は保護者約六十人が登録し、校内外を巡回する「安全ガードボランティア」の二次募集も始める。

 矢野地区の周辺にも活動は広がる。住民が児童の下校時に見回りを続ける安芸区船越地区では事件後、地区社協が住民への防犯パトロールの徹底を呼びかけた。事件を機に自主的に巡回を増やそうとする住民も増え、パトロールを新たに始めたいと相談に来る住民もいるという。

(2005.11.29)


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