中国新聞


児童防犯グッズ多様化


ランドセル・ブザー、一緒に販売 / 居場所をキャッチ GPS端末

 広島市安芸区の女児殺害事件など子どもを狙った犯罪が相次ぐ中、子ども向けの防犯グッズが注目されている。実用性や機能を重視し、多様化が進んでいる。(森田裕美)

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百貨店に並ぶブザーがセットで付いた防犯用のランドセル(広島市中区)

 広島市中区のそごう広島店のランドセル売り場に並ぶ約二十種類の商品のうち三分の一は防犯ブザーとセット販売。別に申し込めば、子どもの位置を知らせる衛星利用測位システム(GPS)にも対応できる仕組みだ。「事件があってからブザー付きを買う人も多い。防犯面に気遣って蛍光色を選ぶ人もいる」と売り場担当寺園実奈子さん(23)。

 イズミ(南区)は側面にある大きな輪を抜くと音がなるブザーを標準装備したオリジナルランドセルを販売している。

 ブザーの種類も増えている。バッグの持ち手に巻き付けるタイプやキャラクター型の商品は人気だ。約六十種類を販売する東急ハンズ(中区)では事件後、購入する人が増え、十一月は前月の二倍を超える約三百個が売れた。

 ほかにも警備会社セコム(東京)は五年前から小型GPS端末を貸し出している。追加料金で警備員も駆けつける。NTTドコモ(東京)は、電話のフックを引くとアラームが鳴って登録した電話番号に自動的に電話がかかり、GPSで子どもの居場所を通知する機能を備えた「キッズケータイ」を、来春にも発売予定だ。

 広島市教委は、防犯ブザーを子どもに携帯させるよう学校に指導。今年六月の調査では、62%の児童がすでに持つ。

 女児が通っていた矢野西小では一日、保護者のカンパで製作した「防犯ブザー携帯」と記したステッカーを全児童に配布。同時に電池確認などを保護者に呼びかけた。

 「減らそう犯罪」安佐南まちづくり協議会の水山芳徳事務局長は「持つだけではなく、いざという時すぐに使えるような訓練や確認が欠かせない」と話している。

(2005.12.3)


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