中国新聞


自ら守る力 子どもに
広島市で特別講座


 教職員ら定員の倍240人参加

 広島市安芸区の小一女児殺害事件などを受け、広島県内の教職員らが子どもを犯罪の被害から守る方策を学ぶ特別講座が十五日、同市東区光町の県立生涯学習センターであった。子どもを預かる現場の強い危機意識を反映し、定員を百人近く上回る約二百四十人が参加した。

 県子どもの犯罪被害防止対策プロジェクトチーム主任企画員の小西明さん(45)が、子ども自身に犯罪から身を守る力を養わせる大切さを指摘。同チームが普及に取り組んでいる地域安全マップ作りを勧め、「樹木の茂った公園など死角の多い危険個所を点検しよう」と呼び掛けた。

 県警から出向している県教委の谷原秀吉課長補佐は、学校独自の取り組みだけでなく、交番やボランティアなど地域と連携する必要性を訴えた。廿日市市立阿品台東小の石井憲幸教頭(47)は「見まわりの人数には限界がある。子どもに自らを守る意識を持たせることが大切と分かった」と話していた。

 講義後には、教職員らがグループに分かれて周辺を歩き、実際に安全マップを作った。東広島市立風早小の堀恵子教頭(52)は「ビルの駐車場などに意外と死角は多い。冬休みまでに学校で安全マップ作りをしたい」と気を引き締めていた。(河野揚)

(2005.12.16)


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