中国新聞


歌って守る 児童の安全
東広島の三永小 防犯合言葉オリジナル曲に


子どもたちに歌の指導をする川原教頭

 テンポよく覚えやすい

 東広島市西条町下三永の三永小で、不審者から身を守る合言葉「いかのおすし」のオリジナル曲が誕生した。児童が犠牲になる事件が全国で相次ぐ中、川原民恵教頭(55)が児童の安全を願って作詞作曲した。31日、同小である保護者や地域住民の防犯組織「三永っ子まもり隊」の結成式で児童らが披露する。(治徳貴子)

 いかのおすし、いかのおすし、みんなの命守る合言葉、知らない人について『いか』ない、知らない人の車に『の』らない、『お』おごえで、『す』ぐに『し』らせよう―。

 曲はテンポが良く、歌いやすい。「行かない」「乗らない」「大声で」「すぐに」を四、五回繰り返しながら、元気よく弾むように歌う。

 川原教頭は音楽専科の教諭。広島市安芸区で昨年十一月に発生した女児殺害事件を受けて、教えている合言葉を低学年でも覚えやすい歌にしようと思い付いた。「元気な子は狙われにくい」という西条署員の話も参考に、歌声で子どもたちがはつらつする効果も期待し、十二月に作った。

 今月から毎週火、木曜の一斉下校の前に、集合の合図として放送。下校集会で川原教頭が合唱を指導している。

 「歌がシンプルでもう全部覚えちゃった。知らない人に声を掛けられても大丈夫」と六年生の山口啓介君(12)。川原教頭は「児童が事件に遭わずに、元気に楽しい生活を送ってほしい」と願う。

 「まもり隊」は同小PTAが呼び掛けてつくる。要所に立っての見守り活動などを計画している。

(2006.1.27)


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