中国新聞


隣接校選択 校長は否定的
広島市教委アンケート 過半数が小学校導入反対


 通学路 安全確保に不安

 入学する小学校を選択できる制度として、広島市教委が導入を検討している「隣接校選択制」に対し、校長の過半数が反対していることが、同市教委のアンケートで分かった。登下校時の安全確保が困難になり、地域のつながりが希薄になりかねないと懸念するため。一方、自治会やPTA関係者の間では、賛否はほぼ二分された。(石川昌義)

 隣接校選択制は、入学する市立小を学区が隣接する学校の中から選ぶ。市教委は昨年十一〜十二月、対象校から外している似島学園小(南区)を除く市立小全百三十九校の校長を対象に、制度導入の賛否を聞いた。

 その結果、「反対」は過半数の七十人(50・4%)で、「賛成」の二十一人(15・1%)を大きく上回った。「どちらでもない」が四十一人(29・5%)、無回答は七人(5・0%)だった。

 反対の理由は、登下校の安全確保が困難になる▽地域のつながりが失われる▽子ども会など地域活動が衰退する―などが多かった。半面、通学距離が改善される▽学校の特色が強まる―などの賛成意見もあった。

 市教委は同時期に、自治会関係者たちでつくる学校協力者会議の委員千五百四十人を対象に同様のアンケートを実施。「よい」「どちらかといえばよい」との肯定的な見解が計47・8%となり、否定的な受け止めの43・9%をわずかに上回った。

 隣接校選択制導入は、市通学区域弾力的運用検討委員会が二〇〇四年三月に提言。市教委企画課は「通学の安全確保策の検討と合わせて、導入の可否を慎重に探りたい」としている。市立中学校ではすでに〇五年春から「隣接校・行政区域内校選択制」を導入している。

(2006.2.17)


子育てのページTOPへ