中国新聞


県警OBの学校巡回を拡大
広島県35−40人、広島市10人


 広島県警の元警察官が小学校などを巡回して、安全確保対策などを指導する「スクールガード・リーダー」を、県と広島市は新年度から大幅に増員する。県は、福山市の小学校で実施したモデル事業を全県に拡大。広島市は巡回数を増やし、登下校時などに子どもが犯罪に巻き込まれるのを防ぐ。(村田拓也)

 県教委は昨年十月、交番勤務などを経験した元警察官四人をリーダーに委嘱した。福山市内の七十二小学校を、一人が十八校ずつ担当。月一、二回学校を訪問し、防犯訓練の指導や地域安全マップづくりにかかわっている。学校周辺の危険個所の助言や、竹馬をさすまたに代用するなどの実践指導にも当たっている。

 県は新年度、新たに三十五―四十人程度の県警の退職者をリーダーに委嘱。広島市を除く県内の全公立小学校五百八十二校を巡回する。回数や実施時期、市町ごとの配置人数は今後詰める。

 広島市も元警察官五人のリーダーを十人に倍増する。すべての市立幼稚園、小・中学校など計二百三十一校の巡回数を、これまでの月一回から二回にする。

 リーダーの巡回や増員は、文部科学省の委嘱事業。県教委によると、声掛けや、学校敷地内への侵入など本年度中に寄せられた不審者情報は、一月末現在で七百六十九件。前年同期の二百七十五件に比べ二・八倍に増えている。

 広島市安芸区では昨年十一月、下校中の女児が殺害される事件も起きている。県教委は「リーダーの活用で、子どもの安全確保に力を入れたい」としている。

(2006.3.4)


子育てのページTOPへ