中国新聞


休業の代替要員/社内託児所開設
育児支援後押しへ 中小企業向け融資
広島県、低利で来月新設


 中小企業が従業員向けに行う子育て支援や行動計画の策定を後押しするため、広島県は四月、必要な費用を低利融資する制度を新設する。計画づくりを支える専門の窓口も新年度中に開設する考えで、子育て支援策をまとめた「未来に輝くこども夢プラン」の数値目標の実現を目指す。いずれも中国地方の五県では初の取り組みになる。

 低利融資は既存の県費預託融資制度に項目を追加する。限度額は運転資金二千万円、設備資金五千万円。中小企業を除く未上場の中堅企業は上限が一億円となる。広島銀行やもみじ銀行、信用金庫など二十四金融機関が取り扱う。

 今月中に預託融資制度の要領を改正。育児休業に伴う代替要員の確保や企業内託児所の開設など、行動計画の実施に必要な経費を支援する。

 一方、中小企業の行動計画策定を支援するため、情報提供や相談を一元的に手掛ける「両立支援企業応援コーナー」も庁内に新設。広島労働局と連携し、仕事と家庭の両立に向けた企業の取り組みを促す。行動計画を策定した企業の登録制度を設け、内容をホームページなどで紹介する。

 行動計画づくりは、二〇〇五年四月に全面施行された次世代育成支援対策推進法(次世代法)に盛り込まれた。従業員が三百一人以上の事業主に提出を義務付け、三百人以下にも努力義務を課した。

 県は、〇五年三月にまとめたこども夢プランで、従業員が百人以上三百人以下の中小企業の策定率を、〇九年度末に25%とする目標を設定した。今年二月末時点では3・3%にとどまり、県勤労者福祉室は「行動計画の策定企業を増やし、仕事と子育てが両立できる環境整備を進めたい」としている。(村田拓也)


次世代育成支援対策推進法 次の世代を担う子どもが健やかに生まれ育つ環境をつくるため、国と地方公共団体、事業主のそれぞれが果たすべき役割を定めた。2005年4月の全面施行で、雇用数に応じて事業主に対し、行動計画の策定を義務化、もしくは努力義務を課した。行動計画には、子どもが生まれる父親の休暇取得の促進や情報技術(IT)を活用した自由な働き方の導入、託児室の設置などが盛り込まれている。

(2006.3.19)


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