中国新聞


尾道市教委が構想
幼・小・中一貫校 正念場に


 ■因島、保護者の賛否割れる

地図「尾道市教委が進める教育環境整備ゾーン」

 尾道市教委が因島の因南地域で進める幼・小・中一貫校構想について、市PTA連合会因島ブロックは、保護者を対象に実施したアンケートの結果をまとめた。賛否はほぼ半ばし、同ブロックは十一日にも保護者に諮り方向性を出す方針。市教委は、二〇〇九年春の開校に向けた作業開始の期限を六月としており、幼・小・中一貫校問題は正念場を迎えた。(石田憲二)

 市教委は、一月に編入合併した因島・瀬戸田地域での子どもの減少を受け、幼稚園や小中学校の統合を計画。因島を「因北」と「因南」、生口島は「生口」として三ゾーンに分け合併後、住民ヒアリングを続ける。因南ゾーンは、二幼稚園、三小学校、三中学校を統合し、幼・小・中一貫校の設置を探っている。

 これを受けたアンケートは、PTA会員の九百八十九人に求め三百九十人(回収率39%)が回答した。幼稚園を含めた三小学校の統合について「賛成」は35%、「反対」は34%。賛成の理由は「複数学級になる」が最多で、「友達が増える」が続いた。反対の理由では「通学が困難」「地域から学校がなくなる」「時期尚早」の順になった。

 幼・小・中一貫教育への認知度では、「知っている」が84%に達した。賛否は賛成27%、反対23%で、「どちらでも良い」「分からない」が合わせて46%に上った。結果を受け、市P連副会長で旧因島市PTA連合会の柏原功会長は「親が納得できる方向で進めたい」と話している。

 市教委は、因北ゾーンについては大浜小を〇七年度に因北小に統合することを決定。二中学は当面維持する。生口ゾーンは、三小学校と二中学校を、それぞれ一小、一中に統合する案を示している。しかし、各地のヒアリングでは「住民感情を無視している」など強い反発が出ている。

(2006.4.6)


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