中国新聞


子育て支援 シニア奮起
岩国灘地区 民生委員らがグループ


 50人登録 遊び相手や相談

 地域ぐるみで元気な子どもを育てようと、岩国市灘地区の民生委員らが中心になり、育児支援組織「灘えくぼ」(藤重貞子代表)を立ち上げた。毎月、歌遊びや工作などの催しを開き、育児相談にも応じる。核家族化や少子化が進む中、経験豊かな育児の先輩と交流できるため、若い母親に好評だ。(田中美千子)

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子どもたちの遊び相手を務める灘えくぼのメンバー。会場には毎回、にぎやかな笑い声があふれる

 毎月第一月曜日の午前十時〜十一時半、灘供用会館に乳幼児を連れた十人ほどの母親が集う。迎えるのは五十―六十歳代の男女十数人。民生委員や福祉委員ら約五十人がボランティア登録しており、交代で訪れる。

 「歌で遊ぼう」「保健師さんの話」「歯の健康について」…。メニューは毎回、替える。外部講師を招いた母親向けの内容の時は、講演会の間、灘えくぼのメンバーが子どもの相手役を引き受ける。お遊戯は「園長」の村中恵子さん(62)=保津町=が担当。二十五年の保育士経験があり、歌や工作で子どもを夢中にさせる。

 民生委員の藤重代表(68)=黒磯町=らが、昨春から発足準備を始めた。「最近は少子化が進み、共働きの家庭も多い。乳幼児を抱えた専業主婦は、育児の相談相手がいない」との理由だった。

 全国社会福祉協議会の補助事業への応募を機に、地区の民生委員二十六人の中から準備スタッフ六人を選んだ。育児サークルの視察を重ね、運営方法を研究した。同協議会の補助対象にも選ばれ、おもちゃも購入。今年一月に「開園」した。

 母親たちは「何でも相談できる」「おじいちゃん世代の男性と子どもが交流できるのもうれしい」と喜ぶ。灘えくぼ側も「子どもと遊ぶのは楽しい」とやりがいを感じている。

 村中さんは「子どもは人と触れ合い、成長する。幼少期に人とのかかわりが希薄だと、心の闇を抱えることになりかねない」と、参加を呼び掛ける。藤重代表も「交流の輪が広がり、将来はお母さんたちが自主的に運営する組織に発展してくれたら」と願っている。  会費は不要。藤重代表Tel0827(31)3793。

(2006.4.13)


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