中国新聞


35人学級 中1まで拡大
広島市教委方針 2008年度から順次


 広島市教委は、二〇〇八〜一一年度にかけて小学三年―中学一年を原則三十五人学級にする方針を決めた。小中学校に二十人程度の少人数学級導入を目指す「段階的プラン」の中間案に盛り込んだ。教員の採用方法やハード整備の必要性を詰め、年度内に最終案をまとめる。(岡田浩平)

 広島県教委は現在、小学一、二年について、一学年に三十五人を超す学級が三つ以上あれば、教員を配置して一学級増やす「はばたきプラン」を実施している。市の中間案は、学級数の条件を「二つ以上」に拡充した上で、〇八年度から小学三年と中学一年にも導入、小学校では順次、上の学年に適用を広げていく。一学年一学級の場合、非常勤講師を置く。

 教室が短期間不足する場合は仮設校舎で対応し、五年以上続けば増築する。新たに必要になる教員数は一一年度で二百四十人になると想定し、〇八年度から向こう十年間は人件費や施設整備費で毎年二十億円が必要と試算している。

 市教委は、小学五年からの英語科導入などを柱とする市独自の「ひろしま型カリキュラム」と並行して義務教育改革を進める方針。市教委企画課は「生活面できめ細かく指導するため、できる段階から少人数学級を進めたい」としている。

 〇四年にまとめた「段階的プラン」の素案では、第一段階で小学校低学年を二十人、その他は三十人程度の学級編成を掲げていた。しかし、実現には人件費などで当初十年間に毎年約六十億円が必要になるとして、厳しい市の財政状況などを踏まえて「現実的な具体化策」に見直した。

(2006.5.24)


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