中国新聞


指定60校 不登校2割減
2005年度、広島県教委


 教員増員や小中連携策が効果

 広島県教委が2005年度、県内の小中学校各30校を実践指定校にして取り組んだ不登校対策事業で、不登校の児童・生徒数が全体で2割近く減ったことが分かった。小、中学校の連携や、複数の教員のきめ細かな対応が奏功したという。本年度も30校ずつを指定し、さらに不登校の減少を目指す。(村田拓也)

 実践指定校は〇五年度、広島市舟入小・江波中や福山市深津小・東中など、同一校区内の小中学校を一校ずつペアで指定した。指定校には小学校で一人、中学校は二人の教員を、通常より多く配置。不登校だったり、不登校になりそうだったりする子ども一人を複数教員でケアするなど手厚い対応▽小中学校合同の連絡会議を通じた情報の共有化―などに取り組んだ。

 その結果、指定校での不登校の子どもは、小学校では〇四年度の計百十五人が〇五年度は計九十三人と19・1%減少。中学校でも計七百六十一人が計六百二十人と18・5%減った。二十校を指定した〇四年度に比べ、減少率は小学校で9・1ポイント、中学校で2・1ポイント上回っている。

 指定校は公募し、本年度は廿日市市四季が丘小・四季が丘中など五校ずつを新たに指定した。継続校を含めて三十校ずつで、教員の増員やスクールカウンセラーなど関係機関との連携を進める。  「効果のあった対策をさらに深め、本年度も〇五年度に比べて二割の減少を目指したい」と県教委指導三課。研修会での実践発表

などを通じて指定校での取り組みを他校に広め、〇四年度に県内の小中学校で計三千三百六十人いた不登校の子どもを減らしていく。


不登校の児童・生徒数 何らかの心理、情緒的な要因や社会的背景から、登校しないかしたくてもできない状態になり、学校を30日以上欠席した人数を把握している。病気や経済的な理由は除いている。文部科学省の調査では、全国の小・中学校で04年度は約12万3000人と、03年度に比べて2・3%減っている。

(2006.5.25)


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