中国新聞


弱視治療児に独自助成
笠岡市 眼鏡費、年3万円上限


 笠岡市は、弱視や斜視の子どもが使う治療用眼鏡やコンタクトレンズの購入費の70%を補助する市独自の助成制度を設けた。早期に眼鏡を使えば視力が改善する可能性があるのに、経済的な事情で十分な治療が受けられない子どもをなくすのが目的。健康保険よりも手厚い内容で、全国でも先進的な取り組みとなっている。(杉本喜信)

 市によると、弱視は三歳児検診で判明するケースが多く、購入に数万円かかる眼鏡による早期治療が有効とされる。活発な時期のため、眼鏡が壊れたり、医師の指示で度数を変える必要が出たりして年に何回も買い替えを迫られる場合も多い。

 この治療用の眼鏡は今年四月から、九歳未満は健康保険の対象になった。しかし、四歳までは年一回、五歳以上は二年に一回しか適用されないなど、頻繁な買い替えには対応できない。

 これに対し笠岡市の制度は、対象を所得税非課税世帯に限った上で、年齢を小学校卒業までに拡大。年三万円を上限に購入費の七割を助成する。

 同市議会で昨年六月、負担軽減を求める市民の声が紹介されたのを機に、市が子育て支援の一環として検討。独自の要綱を設けた。本年度は約四十万円を予算化し、保険併用を含め十数人の利用を見込んでいる。

■全国でも先進的施策

 全国の弱視治療児の保護者らでつくる「あいぱっちくらぶ」甲斐恵子代表=沖縄県石垣市=の話 全国でも最も先進的な施策の一つ。他市町も参考にしてほしい。

(2006.6.8)


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