中国新聞


小児ぜんそく、木炭で症状改善傾向
島根大グループなど調査


 小児ぜんそくの患者の自宅の床下などに調湿用に開発された木炭を敷き詰めることで症状が良くなる傾向がみられたとする調査結果を、島根大医学部(出雲市)などの研究グループがまとめた。症状を悪化させるカビやダニの発生を抑え、治療に有効な可能性があるとしている。

 研究は地元の出雲土建(石飛裕司社長)と共同で実施。二〇〇三年から同学部付属病院の三歳から十歳までの患者七人の自宅の寝室などに同社の調湿木炭を敷き、それぞれ二年間、経過をみた。

 半年後、患者や保護者のアンケートで六人のケースでせきなどの症状改善や通院回数の減少などがみられた。五人は発作を抑える薬の量も減った。七人中二人にだけみられたカビに対するアレルギー反応も低下していた。同学部小児科の竹谷健助手は「呼吸機能や血液検査などでは変化はみられないが、室内のカビの胞子の減少と症状改善の時期が重なる」と、木炭の調湿作用の影響を指摘。今後さらに患者を増やし、木炭を敷かないケースとの比較なども進める。

 研究成果は五月三十一日に東京都であった日本アレルギー学会春季臨床大会で報告した。(松本大典)

(2006.6.14)


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