中国新聞


暴走族減り非行集団台頭
広島市の対策推進本部 「声かけ」強化へ


 条例奏功 集会は沈静化

 広島市内で暴走族の集会が沈静化し、メンバーの数も減る一方で、非行少年グループが活発化している。暴力団とつながっている「面倒見」が背後にいるとみられ、市暴走族対策推進本部(本部長・秋葉忠利市長)は、一日から九月末まで、少年グループへの「声かけ」を強化する。(林仁志)

グラフ「広島市の暴走族のグループ数・人数の推移」

 市のまとめでは、市暴走族追放条例施行前の二〇〇一年末には二十四グループ、百八十一人だった市内の暴走族は、今年六月末には六グループ、三十九人に減少。対策推進本部事務局は、アリスガーデン(中区)など市中心部にたむろしていた暴走族メンバーもおおむね姿を消した、とみる。

 一方で、グループ名を刺しゅう、印刷したジャンパーを着用した非行少年グループが目立つようになった▽面倒見が少年らに指示をする姿が散見される―など、無視できない状況が起きているという。

 市がアリスガーデンや周辺で調べた結果、面倒見や暴力団の支配下にある「チーマー」は二グループ、二十一人。チーマーではない非行少年は十一グループ、百十四人いた。女子も相当数が加わり、チーマーグループに十四人、非行少年グループには四十一人いるという。

 市は、三十一日の対策推進本部会議で、八、九月の二カ月間を「声かけ強化月間」とすることを決めた。広島県警や地域と連携して暴走族を追放した経験を生かし、商店街などでつくる市都心部環境浄化対策協議会や青少年指導員、学校関係者、市の担当者が協力し、市中心部での声掛けを強める。

(2006.8.1)


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