中国新聞


楽しい育児 広がる輪
呉のNPO法人講座に人気


 母親同士悩み共有 ストレス軽減図る

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宇治木理事長(右)の指導で赤ちゃんとのスキンシップ方法を学ぶ両親

 出産後の育児不安を解消するため、赤ちゃんとのスキンシップ方法や母親のストレス軽減を目指す講座が、呉市内で人気を集めている。子育ての悩みを共有し、励まし合う母親の輪が広がりつつある。(吉村明)

 講座は、乳幼児の虐待予防に取り組む呉市の特定非営利活動法人(NPO法人)「日本タッチ・コミュニケーション協会」(宇治木敏子理事長)の主催。二〇〇三年六月に発足し、呉市を中心に公民館などで年百回以上開いている。

 講座では、カウンセリングで母親の悩みを聞く。ストレスを和らげ、子どもと触れ合いたいという気持ちを引き出す。その後、童謡などを歌いながら、赤ちゃんのおなかを触ったり、手足や背中、頭などをなでて言葉を掛けるスキンシップ方法を教える。

 少子化や核家族化で相談相手が身近にいないだけに、育児の悩みを互いに語り合う場にもなる。受講生らは「気持ちが楽になり、楽しみながら子どもと接するようになれた」と表情が一変し、明るくなるという。

 元助産師で二年前から講座に通う呉市焼山泉ケ丘、主婦礒井裕子さん(32)は「子育てを負担に思わなくなり、家族みんなに優しくできるようになった。本音で話し合える友達もできた」と喜ぶ。

 親子二十組を募集する講座は、毎回ほぼ定員いっぱいになる盛況ぶり。最近では父親の姿も見られるようになり、九月四日からは呉ポートピアパークで定期講座(託児あり)を開く。

 受講費は、三回の講座で五千円。事務局の寿賀真由美さん(44)は「母親のストレスケアに重点を置き、言葉にならない赤ちゃんの気持ちをくみ取る心の持ち方をアドバイスしたい」と話している。寿賀さんTel090(1334)2428。

(2006.8.9)


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