中国新聞


不登校6.9%減の4629人
広島県内 05年度小中高


 小学校は3年ぶり増加

グラフ「県内の不登校の児童・生徒数の推移」

 病気や経済的な理由を除き、学校を三十日以上欠席した広島県内の二〇〇五年度の不登校児童・生徒数は計四千六百二十九人で〇四年度から6・9%減ったことが、県教委のまとめで分かった。中学校と高校は減り、小学校は微増。県教委は〇四年度に始めた不登校対策事業の成果を広めるなど、さらなる減少を目指す。

 小中学校は国公私立の全八百九十九校が対象で、内訳は小学校六百十三校、中学校二百八十六校。高校は国立を除く公私立の百四十四校を調べた。

 〇四年度分から調査する高校生は千四百八人と12・7%減った。在校生に占める割合は1・75%と、〇四年度の1・94%から0・19ポイント改善した。

 不登校となったきっかけは「学校生活」が最多の六百五人。内訳は友人関係が二百三十六人▽学業不振が百六十四人▽学校の決まりなどの問題が六十五人―だった。「本人の問題」としたのは五百十七人、「家庭生活」は百三十三人だった。

 中学校も二千四百八十八人と5・8%減少し、四年連続のマイナス。在校生に占める割合は2・98ポイントと、0・14ポイント改善している。

 一方、小学校では七百三十三人と2・1%増え、三年ぶりのプラス。在校生に占める割合は0・44%と、0・01ポイント悪化した。担任を中心とした組織的な対応ができていなかったり、教員研修が不十分だったりしたケースがあったという。

 県教委は〇四年度から、小中学校をペアで実践指定校とし、教員を多く配置する対策事業を開始。不登校になりそうな子どもを複数教員がケアし、小中学校が情報を共有化するなどの取り組みを進めている。〇五年度の指定校計六十校では、不登校の児童・生徒は二割減。指導三課は「対策事業の成果を全体に広め、さらに不登校を減らしていきたい」としている。(村田拓也)

(2006.8.23)


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