中国新聞


岡山県内公立小中校の耐震化率45.7%


 岡山県内の公立小中学校の校舎など施設の耐震化率(四月一日現在)が45・7%にとどまっていることが、文部科学省の調査で分かった。耐震化の前提となる耐震診断実施率も全国平均(67・9%)を大幅に下回る37・3%。本年度末の実施率見込みも全国ワースト三位の46・4%と、対策の遅れが目立っている。(加納優)

 調査によると、県内の小中学校施設二千七百三十四棟のうち、耐震基準を満たす一九八二年以降の建物や補強済みの棟数は千二百五十棟。耐震診断の対象となる八一年以前の建物は千六百二十一棟あり、診断済みは六百四棟。本年度末の見込みでも七百五十二棟にとどまる見込みで、実施率は福岡県、長崎県に次いで低い。

 市町村別では、耐震化率は瀬戸町と早島町が25・0%で最も低く、倉敷市25・1%、建部町35・7%と続く。耐震診断実施率は和気町や笠岡市・矢掛町中学校組合が0%だった。井笠地方では井原市を除く四市町が県平均を上回っていた。

 県教委によると、耐震化の補強工事には一棟当たり二、三千万円、耐震診断には二十万―三百万円程度かかる。財務課は各自治体の財政負担が耐震対策のネックになっている現状に触れつつ、「小中学校は地域の避難場所に指定されている場合も多く、早急な対応が望ましい」とする。

 笠岡市は耐震診断実施率44・0%を本年度末に76・0%に引き上げ、来年度内には完了させる計画。同市教委教育総務課は「診断と並行し、危険度の高い建物から耐震工事を進めていく」との方針を示している。

 一方、井原市は九六年度から毎年一校ずつ補強・改修工事を進めているものの、耐震診断実施率21・1%、耐震化率43・8%。周辺町との合併も低率にとどまっている要因の一つで、同市教委庶務課は「診断実施率の向上に向け、前向きに取り組んでいきたい」と説明している。

(2006.9.6)


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