中国新聞


三次、小学校区を完全自由化
新年度に導入の方針


 ■市教委「各校の特色を出す」

 三次市内の小学校で新年度から通学区域を自由に選べるようにする市教委の方針が十二日、明らかになった。行政サービスの一環として選択肢を広げるとともに、特色ある学校づくりによる魅力アップのため、という。(二井理江)

 市教委は八月半ばに開いた校長会で、小学校の自由選択制の導入について説明。各校に特色をPRする文書の提出を求めている。基本的には新一年生が対象。途中での転校や人数枠など具体的な内容は、校長会の役員や広島県教委と協議中で、今月末までに固める、という。

 市教委は「義務教育として教えるべきものは決まっている。いかに教えるか、が各校の特色であり、自由化は特色を出す手段の一つ」とする。

 同市では、二〇〇五年度から中学校の通学区域を自由化。同年度は十二人、〇六年度は十五人が、隣接校やスポーツ活動が盛んな指定区外に入学した。小学校は、〇四年度から小規模四校で自由化したが、実績はない。

 県教委によると、小学校で区域を完全自由化しているのは尾道、大竹両市と旧千代田町。福山、呉、三原、安芸高田の四市と熊野町は隣接校に限って自由化している。

 〇四年度から自由化している尾道市では、「百ます計算」で知られる陰山英男氏が校長だった土堂小に三年間で百六人が入学。他の学校の同期間中の実績は七十七人だった。学校の教育内容のほか、保護者の通勤途上や祖父母の家の近くにあったり、学童保育が充実したりしているなど留守家庭の対策としても使われている、という。

(2006.9.13)


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