中国新聞


高校生求人改善 広島1.89倍
景気回復 団塊退職に対応


 来春卒業予定で就職希望の高校生への求人倍率(七月末時点)は、広島県が一・八九倍と十三年ぶりの高水準になるなど、中国五県いずれも前年同期より改善していることが十三日、各県労働局のまとめで分かった。岡山も一・一四倍と九年ぶりに一倍台を回復。山口は〇・八二倍、島根も〇・五二倍に上昇した。山陽側を中心に景気回復や団塊世代の大量退職に対応し、早めに人材を確保しようという企業も増えている。高校生の就職活動は十六日、一斉に解禁される。

≪中国地方の来春卒業予定の高校生の求人倍率≫
(7月末時点、各県労働局まとめ)
 求人倍率求人数(人)求職者数(人)
広島1.89(0.39)6335(1675)3346( 240)
山口0.82(0.14)3119( 542)3823(  60)
岡山1.14(0.34)4740(1289)4140(▲164)
島根0.52(0.16)903( 211)1743(▲158)
鳥取0.53(0.12)791( 185)1486(▲  1)
※求人倍率のかっこ内は前年同月比増減率ポイント、求人数、求職者数のかっこ内は前年同月比増減数、▲はマイナス

 広島県は、求職者が前年同期比二百四十人増の三千三百四十六人。求人は六千三百三十五人と約千七百人増え、企業の採用意欲が高まっている。この結果、求人倍率は三年連続で一倍を超え、二・二八倍だった一九九三年以来の高水準となった。業績好調のマツダをはじめ、関連の部品製造や建設業などで求人が増えた。

 広島労働局は「人材を確保しようと、例年より早めに求人を出す企業が増えた。高校生にとって選択の幅が広がっている」とみている。

 岡山県は、三菱自動車工業の水島製作所(倉敷市)やディスカウントスーパーから大量求人があり、一・二三倍だった九七年以来の一倍超えとなった。山口県は、フル生産が続くマツダ防府工場(防府市)の関連メーカーや三菱重工業下関造船所(下関市)などからの求人が増え、〇・一四ポイント上昇した。

 島根、鳥取両県はコールセンターなどからの求人が増えた。島根が〇・五二倍、鳥取が〇・五三倍と、それぞれ〇・一六ポイント、〇・一二ポイント改善した。(永井友浩)


高校生の求人倍率 就職を希望する高校生に対する各県内企業の求人の割合。各県労働局が高校や県内企業を対象に調査している。県外企業の求人を含めると求人倍率は上がるが、地元への就職志向が強い高校生にとって、県内企業の求人増加が就職内定に結びつく重要な要素になっている。

(2006.9.14)


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