中国新聞


パンケーキ・みそ汁・スープスパゲティ…
児童が挑戦 朝食作り


 ■楽しさ学び早起きも

 「つくってみようよ! 自分の朝ごはん」。広島県などの呼び掛けに応え、県内の小学生が今年の夏休み、家族と一緒に朝ご飯作りに挑戦した。「自分で作る」ことによって、料理の楽しさを知るだけではなく、早起きや食欲増進につながった子どもも多かった。休日の朝ご飯、親子で一緒に作ってみませんか。(平井敦子)

 朝食作りのコンテストには、一〜六年生の男女六十九人が応募。料理研究家や栄養士らが、栄養バランスに配慮した手作りメニューの写真や子どもの感想を審査し、八家族の十一人が優秀賞に選ばれた。

 その一人、江田島市の沖小二年の花崎ゆうかさん(7)は、絵本の「はらぺこあおむし」をイメージしたパンケーキを作った。母親の直子さん(39)は「いつもは食が細く、朝ごはんも少ししか食べない。その娘が、自分で作ったものはたくさん食べてくれた」と喜ぶ。

 ▽「大きな自信に」

 北広島町の豊平東小一年迫田美咲季さん(7)は、豆腐のみそ汁に挑戦し、初めて手のひらに豆腐を載せて、包丁で切ってみた。サイズが大きくなってしまったが、「楽しかった」と満足顔。「無理だと思っていたことも、やらせてみたらできて、大きな自信になったのでは」と話す母親の智恵子さん(33)は「畑で野菜を作ることも経験させたい」と食に触れる機会を広げる考えだ。

 福山市の山手小四年の西谷昂真君(9)の作品はスープスパゲティがメーン。母親の福美さん(38)は「早起きは苦手だけどいつもより早く起きて頑張った。これからは男の子も料理ができる方がいいと思う」とほほ笑む。

 ▽食欲増進に効果

 県によると、県内の小学五年男子の朝食摂取率(昨年度)は85・2%。十人のうち一、二人が、朝ご飯を食べていない計算になる。今回の試みは家族で朝食を見つめ直してもらうのが狙い。「自分で作る」ことが、食への興味を高め、早起きや食欲増進に効果を上げるケースも多く見られた。「毎日、毎日作ってくれるお母さんはすごい」と感想を寄せる子もいた。

 審査委員長を務めた県栄養士会の松原知子会長(62)は「包丁の使い方など基本をしっかり教えれば、子どもは意外と何でもできる。野菜をちぎったり、卵を割ったり、簡単なことから始めたら」とアドバイス。その上で、「親子で料理するのは一番の食育。自分が忙しいから手伝わせないとは言わず、休みの日に親子で台所に立ってみて」と呼び掛けている。

    ◇

 他の優秀賞受賞者は次の通り。(敬称略)

 東広島市・高美が丘小二年高島一貴、平岩小五年神田恵美、高屋東小六年杉山来留美▽呉市・昭和西小三年丸本桃華▽福山市・加茂小一年青山千笑、同三年青山未歩、同五年青山悠平▽江田島市・沖小六年花崎ほのか

(2006.10.9)


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