中国新聞


「論理力」授業が双書に
三原・木原小で広島大教授指導 実践を教師向け


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木原小で「論理力」育成に相乗効果を上げる地元ボランティアの読み語り

 広島大大学院教育学研究科の難波博孝教授と共同で「論理力」育成の授業づくりを進める三原市木原町、木原小の実践記録が、教師向け専門書シリーズの第一巻として出版された。

 明治図書(東京)の国語科授業改革双書「楽しく論理力が育つ国語科授業づくり」。説明文の筋道を読み取り、自分の論理を言葉や文章にできる「論理力」を重視する難波教授の授業指導で、二〇〇三年度から全学年で取り組んできた。

 同書では、児童がクイズや紙芝居などを作る活動を通し、論理力を培う活動型単元プログラムを報告。経済協力開発機構(OECD)の学習到達度調査(PISA)で注目される読解力につながる「論理力」を説く難波教授の論文も載せた。

 同小では、地元の読書ボランティア「あごは」(赤瀬尚美代表)が三年前から週一回、本の読み聞かせを続け、「論理力」育成との相乗効果を図る。母親の河野育子さん(40)は「親子げんかの途中、小六の息子が『何で怒るん? 理由を言うてーや』と言いだした」と家庭の変化を話す。

 同小は児童数五十一人の小規模校。山中護校長は「公立小の実践が出版で形になるのはめったになく、励みになる。国際標準のPISAを意識した取り組みを続けたい」と話している。一冊二千五十八円。(石丸賢)

(2006.10.13)


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