中国新聞


虐待情報 現場で共有
広島県警や児相 連携強化確認


 全国で続発する児童虐待を受けて、広島県や県警、児童相談所などは二十六日、関係機関連絡会議を広島市中区の県庁で開いた。広島市西区では今春、幼児(4)が死亡する虐待事件もあり、現場レベルの連携強化を申し合わせた。

グラフ「児童虐待の相談件数」

 県と広島市の児童相談所や教育委員会、県警など七機関から十六人が出席。県こども家庭支援室の担当者が、家庭内の問題とされがちだった児童虐待への対応を警察も強めつつある点などに触れ「防止には関係機関の連携が重要になる」とあいさつした。

 会議では、虐待を把握したとき、警察が両親を立件すべきか、児童相談所が仲裁して親子関係を修復させるべきか判断が難しいことなどが議論の焦点になった。幼い命を守るためにも警察官、児童相談所職員らが現場レベルで情報を共有し、最善の対処の方向性を話し合う必要性を確認した。

 県と広島市が設置する計四カ所の児童相談所が二〇〇五年度に受けた児童虐待の相談件数は千二百三十件。〇四年度より百二十件減ったが、県などは引き続き高い水準にあるとみる。本年度の上半期も五百八十八件の相談があった。

 全国的には児童相談所など関係機関の対応が遅れるケースも後を絶たない。県こども家庭支援室は「早い段階で各機関が虐待を把握し、対応できるようにしたい」としている。(高木潤)

(2006.10.27)


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