中国新聞


いじめ 低年齢化目立つ
広島市教委に小中83件報告


 2005年度上回る勢い

 広島市教委は十四日開いた教育委員会議で、本年度の市立小中学校から寄せられたいじめに関する報告が、調査中も含めて計八十三件に上ると報告した。すでに二〇〇五年度一年間を上回る勢い。小学校からの報告が増え、低年齢化が目立つため、市教委は全教員にいじめに関するチェックリストを配布して、細かい兆候も見逃さないよう指導に力を入れる。(鴻池尚)

 報告は、けんかによるトラブルなど調査中のものを含め、現時点で小学校から三十五件、中学校から四十八件。〇五年度は一年間で小学校十九件、中学校六十一件の計八十件を確認しており、小学校の伸びが目立つ結果となった。

 また、学校以外からの相談窓口となる市教委内の青少年総合相談センターには〇五年度、計百十七件の相談が保護者を中心に寄せられ、うち悪口やからかいの相談が四十七件と最も多かった。

 委員からは、いじめを未然に防ぐ対策の一つとして、市教委と相談センターとの連携強化を求める声があった。さらに、「いじめを隠すのではなく、(状況が深刻になる前に)早く表に出そうという雰囲気になるようにしてほしい」との指摘も出された。

 市教委は現在、いじめの兆候を確認する全教員向けのチェックリストを配布するとともに、各校での指導体制を点検し、今月中に報告するよう指示。チェックリストの見直しも十二月中に作業を終えるよう検討を続けている。

(2006.11.15)


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