中国新聞


授業料未納額、6年続き減
2005年度広島県立高 法的措置が効果


 広島県立高の二〇〇五年度の授業料の未納額が千二百七十万円と六年連続で減少し、ピークだった一九九九年度の約三割に減少したことが、県教委のまとめで分かった。支払い督促を簡易裁判所に申し立てる法的措置の活用などを進め、減少につなげたという。(村田拓也)

グラフ「授業料の未納額と未納率の推移」

 〇五年度の授業料の未納額の内訳は、〇五年度分が四百七十六万円、〇四年度以前から繰り越した過年度分が七百九十四万円。それぞれ二年連続、五年連続で減った。未納率も0・25%と二年連続で改善。未納額、未納率のいずれも、ここ十年では最少となった。

 県教委は二〇〇〇年度に要綱を改正。支払い督促の申し立てなど法的措置を明確化したり、正当な理由なく授業料を納めない生徒を出席停止や退学処分にしたりする項目を盛り込んだ。〇四年度には学校が納付状況をリアルタイムで把握できるシステムも導入した。

 その結果、未納額は一九九九年度の四千四百四万円をピークに減少に転じている。新たな取り組みを打ち出した二〇〇〇、〇四年度は、特に減少幅が大きかった。

 今後は、校長を中心に学校全体で取り組む態勢を強化するほか、未納者の状況を踏まえて債権を「正常」「困難」などの分類別で管理して未納の削減を進める。指導二課は「授業料は県立高の運営に必要。不公平感をなくすためにも徴収対策に努めたい」としている。


 県条例は、全日制は月9600円、定時制は月2300―490円と定める。2005年度には49億7084万円が納められた。授業料は教職員の人件費や学校の光熱水費など県立高の運営費に充てられるが、全経費に占める割合は約1割。残りは地方交付税などで賄われる。県教委は経済的な理由で就学が困難な生徒向けに、授業料の減免制度や独自の奨学金制度も設けている。

(2006.11.18)


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