中国新聞


学童保育・介護施設が同居
防府の商店街、ビル空き室を改装


 地元の法人が計画

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高齢者介護と学童保育の両施設を開設するテナントビル(手前)のある天神町銀座商店街

 防府市の社会福祉法人「華世会」が、高齢者介護と学童保育の両施設を同市天神町銀座商店街のテナントビルに開設する。お年寄りと子どもを対象にした事業を同じ建物内で展開するのは珍しい、という。(大村隆)

 華世会は同市内で特別養護老人ホームやデイサービス施設などを備えた「ヘスティア華城」を運営している。

 計画では、鉄骨二階建てのビルの空き室を改装。介護部門は一階百十八平方メートルに定員十五人のデイサービス施設、二階二百四十八平方メートルに個室九室のショートステイを備える。二階には定員六人の有料老人ホームも設け、四月に開所の予定。

 学童保育は一階の別室八十平方メートルを利用する。これからスタッフを募集し、七月末のオープンを目指す。有料で、小学生を午後八時まで預かる。土曜日も受け入れるという。

 学童保育事業について、ヘスティア華城の高橋穏世施設長(55)は「子どもたちは施設を利用するお年寄りや商店街の人々に見守られて育つ」と利点を挙げる。

 山口県こども未来課によると、民間ベースでの学童保育は珍しく、高齢者施設との併設も聞いたことがないという。

 高齢者福祉が専門の県立大の横山正博教授(45)は「子どもと触れ合うことで、お年寄りの気持ちが和み、精神的にもよい刺激になるのでは」と関心を示す。

 同商店街振興組合の坂本恵次理事長(62)は「少子高齢化社会の中で、商店街のユニバーサルデザインを進めるきっかけになる。子どもや若い親ら行き交い、活気づく」と期待している。

(2007.1.25)


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